院長コラム
疲れた話
初めて来院した患者さんが息付く暇なく話ました。
「私、歯が溶ける病気になっているんです…」
(むむっ・・何だそりゃ!?)
「虫歯ではないのですが、歯に茶色や黒の斑点ができて穴が開くんです。」
(それって・・虫歯だろ!!)
「穴が開いた所は大きくなるばかりで治らないんです。」
(だから虫歯だって!!)
「きっと治療法はないですよ」
(そんな訳ないでしょ!)
(中略)
「体は何ともないのに口の中だけなんです。 先生、私の病気治せますか?」
話しつづけたその患者さんは、1時間後ようやく口の中を見せてくれました。
想像する通り虫歯で、ある意味不治の病気かもしれませんが・・
歯磨きは出来ていますが、肝心な所が全く磨けておらず、特に歯と歯の間が虫歯である旨説明したところ。 「私の両親はもう何年も歯磨きしていないのに、虫歯が1本もありません」
「糸ようじは歯に良くないので使うなと母に言われていますし・・」
と言い、説明に納得することなく虫歯が1本もないお母さんを連れてくる言って帰っていきました。
数日後
そのお母さんの口の中を見ると「総入れ歯」でした…。
(はぁ~疲れた・・・)
歯ブラシ、歯磨き粉、歯間ブラシ、デンタルフロスの使い方や効果を間違って認識している人はたくさんいます。また、歯のことも知っているようで知らない人がほとんどのように思えます。
両親や信頼する友人の言う事を信じることは良い事ですが、口の中のことに関しては、私達歯科医の言うことを信じてくださいね!